ーーーーー……
「んーーーっ!終わった……」
やっとの解放感にぐいーっと背伸びする。
つ、つかれた……。早く帰ってベッドにダイブしたい……。
「……わ、もうこんな時間」
時計を見ると、最終下校時間のギリギリ。
ずいぶん長くやってたんだなあと感心感心。
って、門しまっちゃうじゃん……っ!
急いで廊下を走って、門の前にたどり着く。
だけどそこで、外からザーっと音がしているのに気づいた。
「……っえ、うそ………!?」
雨、めちゃくちゃ降ってる……。
そういえば、日葵が雨降るかもって言ってたっけ。
どうやって帰ろう……。
傘、今日に限って持ってくるの忘れちゃった……。
もっと酷くなる前に帰った方がいいよね……。
ごくり、息をのんで。
「よしっ、走って帰ろう」
ーー鞄を頭の上に持ち上げた瞬間、何かがふわっと横からかけられて、私に影が作られた。
「ーーーえ」
傘……?一体誰が……。
私に傘を指してくれた人を目でたどる…と、
「……っえ、涼……?」