「な、なん…!」


アキラの真剣な目に見つめられて、また顔が火照って来るのが分かった。
そんな由里にお構いなく、アキラが言葉を続ける。


「俺は由里さんに、男として見られたいんだ。高校生みたく幼く見えるからって、ただの年下扱いはしないで欲しい。由里さんがそんな反応してくれるってことは、俺…期待していいんだよね?」


「そ、それは…」


どう答えたらいいのか悩む由里を、アキラはまだまっすぐ見つめている。
由里は正直に気持ちを言葉にした。


「わ、私、アキラ君より随分年上だし、20代のアキラ君にはもっと若くていい人が―」


「年なんて関係ない。20代だから30代の人を好きになっちゃいけないって決まってるわけじゃないでしょ。由里さんが俺のこと、恋愛対象として見てくれるのかどうかっていうだけの話。」


「そ、それは…」


「由里さん。」


アキラは体制を立て直してまっすぐ立つと、由里の手を握ったまま、真剣な眼差しで見下ろしてきた。