「俺が…ヴァンパイアだって、言っても許容できます?」
「……え?」
そろそろコロッケを掴もうと、動かした箸がまた止まった。
由理はゆっくり顔を上げてアキラを見た。
真剣な顔をして由理を見ている。
冗談…ではなさそうだ。
由理は確認の意味を込めて尋ねた。
「ヴァンパイアって…吸血鬼ってこと?」
「そうです。」
「だから、この前私が手を切った時も血を吸ってたってこと?」
「そうです。」
「えっとぉ…」
由里はゆっくりと考えを巡らせたが、アキラに視線を戻し「…そっか。そういう事だったのね、あれは。」と言ってコロッケを箸で取り、口に入れた。



