「あの、食べながらでいいんで、質問に答えてもらえますか?」
「え?あぁ、うん。いいよ?」
由里が箸でコロッケを半分にしながら返事をした。
すると、アキラは真剣な眼差しを由里に向けた。
「…どうしてこんなに良くしてくれるんですか?」
「え?」
由里が箸を止めてアキラを見ると、アキラがまっすぐ由里の方を向いていた。
「だって、いくら家の前で体調悪そうにしてたからって、男ですよ俺。何するか分からないのに…。」
「…何するか分からないの?」
由里がアキラの顔を覗き込むようにして尋ねると、アキラはふいと目を逸らした。
「いや、別に今何かしようってワケではないですけど…。」
そうブツブツ呟くアキラの様子を見て、由里はふふっと笑うと、コロッケを口に運ぶ前に答えた。



