「…おいし。」


「それはよかったです。」


由理はハッとして、声がしたソファの方へ顔を向けると、いつの間に起きたのか、ソファの背もたれの向こうからアキラが顔を覗かせていた。


「あ、ごめんね。起こしちゃった?」


「いえいえ…。ちょっとウトウトしてただけのつもりが寝ちゃってスミマセン。」


「全然!大丈夫だよ。あ、料理ありがとうね。すごくおいしい。」


「それはよかった。」


そう言うと、アキラはソファから立ち上がって、ダイニングテーブルに近づき、そのまま由里の正面に座った。