立ち上がってダイニングテーブルを見ると、ラップがかけられたおかずとご飯が並んでいた。


皿のそばに置いてあるメモを手に取ると、『仕事お疲れ様です。よかったらどうぞ』と書かれてあった。


——うっそ。料理までしてくれたの?


残業でおなかが空いていた由里にはありがたいことだった。


さっとシャワーを浴び、部屋着に着替えると、レンジでおかずとご飯を温めた。


炊き込みご飯に味噌汁、皿の上にはコロッケとサラダが乗っている。


温まったご飯の前で静かに手を合わせ『いただきます』をすると、味噌汁をすすった。


柔らかな豆腐とたまねぎ、わかめが入ったシンプルな味噌汁は、出汁がきいていて、濃くなく薄くもなく、ちょうどいい塩梅に仕上がっていた。