アキラはテレビを消して立ち上がると、由里の反対側の席についた。


由里はひとまず席についてくれたアキラに向かってにっこりと微笑むと「いただきまーす!」と言って食べ始めた。


アキラはそんな様子の由里を、ぼうっとした様子で眺めている。


「あ、もしかしてサバ嫌い?それか豚汁の方かな?」


由里がモグモグしながら尋ねると、アキラは頭を振った。


「…いえ、好きです。」


「そう。それならよかった。」


由里は笑いかけると、再び食べ進めた。


アキラはゆっくりと箸を手に持ち「いただきます」と小さな声で言って食べ始めた。
豚汁を少しすすると「…うまいです。」と呟いた。


「よかった。ゆっくり食べていいからね。」


由里は食べてくれたことにホッとして、自分も夕食を食べ進めた。