しばらくすると、アキラが顔を上げた。
「由里さんありがと。ごちそうさまでした。」
そういうと、アキラは由里を見つめたまま、唇を軽く舐めた。
さっきまで由里の腕から血を吸っていたアキラの唇が、少し腫れぼったくなっている。
僅かについていた血液が広がって、紅く染まった唇は、ますますアキラを色っぽく魅せた。
由里がドキドキしていると、アキラはもう一度傷口に唇を当て、舌でゆっくりと傷口を舐めた。
こうすると、傷痕が残らないのだ。
傷口を舐め終え、顔を上げたアキラと目が合った。
アキラは由里の瞳をまっすぐに見つめている。
整った顔立ちも相まって、いつもより色っぽさが感じられた。