甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)

「ダメだよ、雫」

「へ⋯⋯っ?」

「たまにはココも、食べさせて」

「んっ!」


不意打ちのキス。

それは私から理性を奪い、そして――唯月くんに堕ちていく。


――この先の光景なんて、死んでも見たくねぇ。俺は帰るからな


神代くんが言っていた事、今なら分かる。私も自分のこんな姿、誰にも見られたくないって思うから。


「はい。終わり」

「⋯⋯ふぇ?」


早く終われ終われと思っていた吸血は、あっという間に終わりを告げた。

終わった瞬間に、素早く私から退いた唯月くん。

一方で。浅い呼吸を続ける、横たわった私。そんな私を見て、唯月くんはニヤリと笑った。


「それ以上、俺を誘惑するつもりなら――次はもう止まらないよ?」

「っ!?」