甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)

「ぷは!す、ストップ!」

「目の前にこんな美味しそうな物を見せつけておいて“待て”なんて。正気?」

「お、美味しそうな物って⋯⋯あ!」


左胸あたりで乱れている下着を、ジッと見つめる唯月くん。その視線に気づいて、私は慌てて戻そうとした。

だけど――

唯月くんは私の両手を頭上にまとめ、拘束した。服は、はだけた状態のまま。


「み、見ないで⋯⋯!」

「ヤダ。ここまで自分でしたなら、もう覚悟を決めてよね。それに、俺も回復しないといけないし」


唯月くんが言うには、さっきまで気を失っていたらしい。でも神代くんは確かに「死んだ」と言っていた。

あれは、どういう事?

それに――


「神代くんが教えてくれたの。心臓に近い場所の血を吸えば、たくさん回復するって」

「アイツが?」