甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)

「え、あれ⋯⋯?今、」


見間違いかと思って、唯月くんの顔を覗き込む。青白い顔は、何も変わってない。瞼も動いてない。


「やっぱり見間違いなの⋯⋯?」


早合点だったかと、肩を落とした。

その時。


「もう――限界」

「んッ!?」


光を灯す赤い瞳と、目が合った。


「ゆ、唯月く、ン!」

「黙って」


意識を取り戻すと同時に、私にキスをした唯月くん。

私が唯月くんを抱きしめていたのに、いつの間にか、私が抱きしめられている。

さらに、態勢がどんどん傾いていき⋯⋯ついに、私は押し倒されてしまった。