甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)

「吸血鬼は吸血する場所で、吸収出来るエナジーの量が違うと聞く。エナジーとは、吸血鬼の生命力そのもの。そして、そのエナジーを一番に吸収出来る場所。それは⋯⋯

心臓。そこに近ければ近いほど、エナジーは濃いらしい」

「っ!」


じゃあ、私の「心臓に近い場所」で吸血したら、唯月くんは生き返る可能性があるって事!?


「神代くん!今の話、」


だけど神代くんは私たちに背を向け、再び歩き始めた。


「言っただろ。独り言だって。それに――

この先の光景なんて、死んでも見たくねぇ。俺は帰るからな」

「え!帰るって!?」

「⋯⋯ふん」

「えぇ!?」


驚く事に、神代くんは本当に帰ってしまった。

これは、つまり――

見逃してくれたってこと?
あの神代くんが!?


「これはもう、やるっきゃない⋯⋯!」