甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)

「やだ、唯月くん行かないで。唯月くん!」

「雨水⋯⋯」


指を何本も噛み、手が血だらけになる。だけど、どれだけ血を流しても⋯。

唯月くんは、目を開けない。


「⋯⋯ヤダっ」


涙が溢れて、止まらない。

ねぇ唯月くん。いつもみたいに、私の血を飲んで?それでいっぱい元気になってよ。

このままなんて嫌。だって、私、

私――


「まだ何も、返せてないよっ」


ボロボロ泣く私を見て、神代くんは「無駄な抵抗だな」と吐き捨てた。そして銃を持ったまま、私たちに近寄る。


「ダメっ!!」


私は唯月くんを抱きしめ、何がなんでも守ろうとする。

だけど――

そんな私の前に現れたのは、鉛玉ではなく。青いハンカチだった。