甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)

「貫通すんだよ。だから、雨水に撃ってもノーダメージで貫通するはずだった。

お前が人間である証明が出来るのは、この方法だけだからな」

「え?それって⋯⋯」


神代くんの言い方だと、まるで――


「最初から、私を殺す気はなかったってこと?」

「⋯⋯」


すると神代くんは、私の質問に答えない。答えないまま「誤算だったのは」と、私に抱かれている唯月くんを見た。


「唯月が雨水を庇ったことだ。ありえねんだよ。吸血鬼が人間を庇うなんて。

でも、今じゃこのザマ。“最強”が聞いて呆れるな」

「そんな言い方しないで!唯月くんは、私のために⋯⋯っ。

〜っ、もういい!」


私は怒りに任せて、自分の指を噛んで血を流す。垂れた血は、唯月くんの口に直接入れた。

だけど、飲ませても飲ませても――唯月くんは意識を戻さない。ばかりか、どんどん顔色が悪くなっていく。

私の中で、焦りばかりが募っていった。