「い、いきなり脱ぐから⋯⋯っ」


恥ずかしがる私を見て、唯月くんはニヤリと笑う。キレイな顔が台無しになるような――悪い顔で。


「吸血鬼って言ったら、やっぱり首だよね?」

「へ――?」


しれっと。唯月くんは「吸血鬼」と言った。次に、トントンと。自分の首を、指先で軽く叩く。


「俺の血をあげるって言ってるんだ。

ほら、おいで――

お好きな場所に、どこでもどうぞ?」

「っ!!」


余裕そうな表情を浮かべて、まるで私を挑発する唯月くん。

なんで?なんで私が吸血鬼だってバレてるの?いや、今はそんな事より――


逃げないと、マズイ。


自分が吸血鬼だって言いたくなくて、逃げ道を探すために、辺りをキョロキョロ見回した。

だけど――