「千颯、2人で祭り回ってきなよ、屋台のことはいいからさ」

「峰本、連れはいねぇの?」

「うん」

「決定ー、ほらエプロン外していってらっしゃーい」

パワフルな女性だったな
おかげで彼と回ることができるけど

手を振る彼女に会釈をして彼の隣を歩く
2人で外を歩くのは初めてかもしれない

綿あめを食べて、たこ焼きを半分こして、
ポテトや唐揚げも

…って私、食べすぎ?

せっかくふたりなんだから食べてばっかりは良くないかな

「なぁ、短冊書き行っていい?」

ひとり悩んでいるとタイミング良く声をかけてくれた彼

「酒寄にも叶えて欲しい願い事があるの?」

「まぁ、ちょっとな」

濁して笑う彼
この笑顔は聞かないでを意味しているから今は大人しく引く

「みんなの願い事が叶うといいね」

なんて話ながら笹を置いてあるテントまで向かった

私は待っとくね
と伝えて少し離れた灯籠まで行く

隅にあるからか人がいなくてちょうどいい

まだ書いていなかった人たちの列ができていてその最後尾に並んだ酒寄

私はさっき焼いてくれた焼きそばを食べる
なんとトッピングにたまごが乗っていた

ん〜美味しい、この焼きそば私好みかも