花火も終わり余韻に浸っていた頃、ふと思い出して聞いてみる

「そういえば酒寄」

「ん?急に恋羽どうかした?」

「っ〜〜!!」

唐突に恋羽呼びされて驚くよりも照れてしまう
今絶対に顔赤いや、夜で良かった

「ちょっと気になっただけなの。ちっ、千颯が短冊に何を書いたのかなって」

そう問いかけると空いている方の手で額をおさえた彼

「(あー、その返しはずりぃって…耐えろ俺)」

「私はね、幸せでありますようにって書いたよ。千颯の幸せを祈りたくて」

彼にだけ聞くのは不公平だと思うから私が書いたことを先に伝える

「今日こそは告う。決意表明をしたくて書いた」

それに…と続ける彼

「俺の幸せはとっくに叶ったからな」

「え?」

「だって隣に恋羽がいるから」

っ!

どうやら千颯の幸せは私がいないと成立しないらしい

涙が止まらない
もちろんこれは嬉し涙

私はこの先もずっとあなたの──






















──隣りにいてもいいですか?



fin.