「市川ー。」

「はい。」



担任の先生に呼ばれ、教室を出た。

廊下へ行くと大量に実験道具の入ったダンボール箱がある。



先生の方を見ると申し訳なさそうに言われた。


「この後、先生出張でここを出るからこれを理科室に運んでおいて欲しいんだけど、、」




「あぁ、いいですよ。」



「おぉ!本当か。じゃあ頼んだぞ。
お前今日日直だったよな?」



「はい。他に仕事ありましたか?」


「いや、大丈夫だ。でも日誌は書いて職員室の先生の机に置いといてくれ。」




「分かりました。じゃあ、持っていきますねこれ。」



先生と話し終わり、理科室へ向かう。





一見、俺の態度は反抗的に見えるかもしれない。


しかし、ただ単に無気力なだけである。

このクラスの担任である山口先生は俺の態度を知ってくれている先生の1人だ。


山口先生はその中でも特別で、俺の父親と同級生だったことから親戚みたいな感覚だ。


生徒からも人気のあるとても良い先生だと思う。



理科室につき、ドアを開けると中にいた人と目が合った。




「お!市川くん!奇遇だね!」