「え!今日数学の課題提出なの!?」


「先生言ってたじゃん。」



「聞いてたよ!」



「じゃあ、なんで忘れるんだよ。」




スムーズに交わされている会話から考えられるのは、


完璧で頭はいいのに少し抜けている。



そこも彼女が周りから好かれるポイント。





俺とは大違いだ。本当に正反対な性格。
関わることなどないような人。




だけど、だからこそなのか、わかるものがある。



俺の隣の席の彼女は全て計算でできている。


天然無自覚系女子を演じている。



そう、華宮夏帆はあざとい女だ。




これから俺が華宮と関わるときがくるとはこのときの俺は思ってもいなかった。