「そういえばさー」

「昨日のテレビ見た?」

「今日放課後どこ行く?」

「先輩がガチかっこよくてさ!」




今日もいつも通り、ざわざわした教室。

いつも通り、いき交う笑い声。

そう、今日もいつも通りな1日がはじまった。




俺、市川冬真(いちかわとうま)はにぎやかな教室には違和感が出るような人間だ。



「お〜い!冬真!今日カラオケ行こーぜ!」



「李人お前今日追試だろ?」



「な!なぜそれを!!!」



「自分で言ってただろーが。」



「あ、そっか。」




こいつが俺の数少ない友達の1人椎名李人(しいなりひと)。



そう、俺は友達が少ない。


理由は主に興味がないからだ。


周りの人に興味がないから、周りからはクールだと言われる。


よく、クール王子と呼ばれているような俺は結構モテている方だ。


でも、彼女はつくらない。
別にいらない。

そう、思っていた。