その日から、私たちは4人で昼休憩を一緒に過ごすようになった。


『ここめっちゃ居心地いい場所だし、これからここで4人で食べない?』


倫太郎くんのその提案は、千崎くんにとっては絶好の機会で、橋渡し役の私にとってももちろんプラスになることだった。

なのに、余計なことを……と、思ってしまった。


好きな音楽をきっかけに、どんどん仲を深めていく千崎くんと紗良。

時々空気を読まない倫太郎くんが2人の話に割り込んで、音楽とは関係ない話にいつの間にか入れ替わっていて、でも話が途切れることはなかった。

紗良の顔を見れば、本当に楽しそうに話しているのだとわかる。


紗良にとっては初めての男女共学の学校。初めての仲良くなった男子生徒。

純粋に初めてがあるっていいなと思った。

まだ初めての恋も残っている。それはすぐそこまで来ている気がした。