「もう宇宙人から人間の昇格はすっ飛ばして、それ以上のことをやろう。今までの回りくどいアプローチは、余計紗良に怪しまれちゃうから」

「そうなん?」

「紗良は私の考えてる事は目を見ればわかっちゃうような鋭い子なの!」

「家族みたいだな」

「そう、家族と同じくらい一緒にいるから」



前みたいに、千崎くんと向き合ってイスに座り、私たちは今後の計画を立てる。

だけど、そう簡単に良いアイデアは浮かばず、話がちょっとだけ逸れ始める。



「填本から見た柏木ってどんな感じ?」



背もたれに身体を預けていた千崎くんは、机の上で肘をつき前のめりに体勢を変える。



「紗良は、木漏れ日みたいな人」

「……木漏れ日って、木とか葉とかの隙間から漏れる日差しのこと?」



木漏れ日を思い出しながら、確かに頷く。