「定例会……は硬いなぁ、あいびき……はなんかイケないことしてるみたいだよね、ミーティング……はカタカナにしただけであんまり変わらないなぁ、あっ!お楽しみ会、とか?」

「お楽しみ会?」

「恋の、お楽しみ会……どう?」

「めっちゃいいじゃん!楽しそう!」



え〜、嘘でしょ……。
幼稚園で開催される会みたいな名前だけど、こんなんでいいんだ。

千崎くんって、結構変な人だなぁ。

私に恋のキューピットを頼んでくる時点で変人だということに、自分の失恋だけで手一杯で全然気づかなかった。



「じゃあ、この日を機に、俺と填本の、恋のお楽しみ会を設立しよう!改めてよろしく!」



差し出された右手を見つめ、やっぱり変な人だと小さく笑みがこぼれた。

そして、私はその手を素直に握って握手を交わした。



初めて握った好きな人の手は、思った以上にゴツゴツしていて、思っていた何倍もあったかい温もりで包まれていた。



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《5月10日 金曜日》

目標:千崎瑠衣と柏木紗良を、必ず恋人として繋いでみせる。


◎記録

・毎週月曜日/放課後/旧図書室 恋のお楽しみ会


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