「好きに、なって、ごめんね……」



瞬間、足が凍りついたように止まった。


……好き?


その言葉に当然自分の耳を疑う。
耳の近くで言われたのに。



「倫太郎くん、今のは千崎くんには言わないでね」



そう言い終わって、力尽きたのか填本はまた目を閉じた。

俺が言いたかった言葉を残したまま、小さく寝息を立て、俺の背中で眠った。



やっぱり、俺は、大バカだった……。