ただ千崎くんと観覧車のスタッフに促されるまま、観覧車に乗って扉が閉められた。
何も言わずに向かい合って座る。
先に乗った倫太郎くんと紗良が、立ったり座ったりして他の人よりも大きく揺れているのが見える。
「なんで……」
観覧車に乗って4分の1くらい回った頃に、やっと声が出た。
「ん?」
「せっかく紗良と2人になれるチャンスだったのに」
千崎くんは大バカだ。
夏休みになる前の恋のお楽しみ会で、観覧車は絶対に2人で乗るべきだって何度も言っておいたのに。
ここだけは勇気を出して「一緒に乗ろう」って言うべきだ、ってあれほど言い聞かせたのに。
「うん、ごめん。
でも、填本と話したかったから」
「話してたじゃん」
「そうだけど、でも週一で旧図書室でずっと話してたのに、久しぶりに会ってもあんまり話せてないのが、なんか寂しくて……」


