「どうかな、会いたいのかな……わからない」
「……そう」
「でも、お父さんよりももっと上手にだし巻き玉子は作れると思う。お母さんの甘い卵焼きも好きだし。だから今は、お父さんのだし巻き玉子は食べたいとは思わない。むしろ、私が作った料理をお母さんに食べて欲しいかな」
昔の家族に戻りたいとは思うし、元気にしているだろうかとお父さんのことを考えることもある。
だけど、今、お母さんは私をちゃんと見てくれている。
それだけで十分で、それ以上を望んだら不幸になってしまいそうで怖い。だから、多くは望まない。
喧嘩する両親にあの時言えなかった言葉。
離婚を決めた両親にあの時呑み込んだ言葉。
───私のことも見て。
お母さんは私の目をちゃんと見つめて嬉しそうにはにかんだ。今はそれだけでいいのだ。
お母さんは友達のように私の腕を組んで、料理の邪魔をしてくる。
「ねぇ、邪魔だって」
「お母さんもね、凛の作るご飯が世界で1番大好きよ。これからもいーっぱい食べるから、いーっぱい作ってね」
「はいはい」
「お母さんのお弁当にもだし巻き玉子入れてね」
「わかったから、もうくっつかないで!」
私は欲張らない。
当たり障りのない、小さな幸せだけで十分だと思うから。
「……そう」
「でも、お父さんよりももっと上手にだし巻き玉子は作れると思う。お母さんの甘い卵焼きも好きだし。だから今は、お父さんのだし巻き玉子は食べたいとは思わない。むしろ、私が作った料理をお母さんに食べて欲しいかな」
昔の家族に戻りたいとは思うし、元気にしているだろうかとお父さんのことを考えることもある。
だけど、今、お母さんは私をちゃんと見てくれている。
それだけで十分で、それ以上を望んだら不幸になってしまいそうで怖い。だから、多くは望まない。
喧嘩する両親にあの時言えなかった言葉。
離婚を決めた両親にあの時呑み込んだ言葉。
───私のことも見て。
お母さんは私の目をちゃんと見つめて嬉しそうにはにかんだ。今はそれだけでいいのだ。
お母さんは友達のように私の腕を組んで、料理の邪魔をしてくる。
「ねぇ、邪魔だって」
「お母さんもね、凛の作るご飯が世界で1番大好きよ。これからもいーっぱい食べるから、いーっぱい作ってね」
「はいはい」
「お母さんのお弁当にもだし巻き玉子入れてね」
「わかったから、もうくっつかないで!」
私は欲張らない。
当たり障りのない、小さな幸せだけで十分だと思うから。


