「にしても、夏休みに学校で授業なんておかしいよな~」

「このあと、ゲームしよ~」

チャイムと同時にガヤガヤとクラスメイトが一斉に話し始める。
二限以降の休み時間にもなると、途端に騒がしくなる。
なんでこうも体力がありあまっているのだろうか、クラスメイトたちは。
こうして夏ばてにまっしぐらの私からしたら、あまりにも理不尽ではないか。

窓から差し込む、もとい、刺し込む日光に朝から体力をガリガリと削られた私は息も絶え絶えで机に伏す。
冷房の効いた室温だけど窓辺の私の席ではそんなの意味がない。

ただでさえ、引き篭もりがちなのだ。
熱さなんか天敵とも言えよう。

(ほんと、夏なんか大嫌いだ。

…あぁ、帰りにコンビニでアイス買おう。)

確か、新作の苺アイスが出ていた。
口の中で冷気だけ残してすっと消えていく感覚を思いだして、少し暑さが和らいだように感じた。