「そんなことが…………」

「はい…………関口先生は追い詰められてましたね…………どうにかその年は続けられてましたが……………結局、その年で二人とも異動になってしまって…
 それからは連絡を取ることもなかったですね」

「関口先生は………凄い先生でした
 生徒からの人気も高く………教師からの信頼もあった
 香音のことを…………俺の代わりにたくさん助けてくれました
 前向きに………なれているのではないでしょうか?」

「そう……ですよね………
 もう……6年も経ちましたもんね……
 …………………でも良かったです
 関口先生が教師を続けてくれていて」

「…………はい
 おかげで香音は……生きられてる
 関口先生がいたから………香音は頑張れたんだもんな?」

「うん
 雄斗がいなくなって辛かったけど………関口先生のおかげで頑張れた
 関口先生に助けられたんです」

「…………………そっか
 ……成長してるんだな、関口先生も
 今日、香音さんに会えて良かった
 初めて……宮本のこと誰かに話したかもしれない」