私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「やっぱり……そうだよね………
 さっきはごめんね
 驚いちゃって…………あまりいい気にはならなかったよね………」

「いえ………………」

「こんな……偶然もあるんだな………
 今日……あいつの命日なんだよ………
 そんな時に………香音さんに会うなんてな………」

「命日って………」

雄斗がその言葉に反応した

そうだよね……雄斗は知らないんだもんね………

「宮本は………亡くなってるんです
 6年前に」

「…………………っ!」

「いじめによる自殺でした………学校の屋上から飛び降りて………」

「そう……だったんですね………」

雄斗は言葉を失っていた
それでも高梨先生は話続けた

「彼女の担任が………関口先生でした
 まだなったばかりで………初めて受け持ったクラスでした
 俺は隣のクラスの担任で………関口先生とは良く話してました」

「………………………」

私達は静かに聞いた

「いじめが分かってからは………彼女を助けようと関口先生と二人で協力しました
 でも………彼女を救えなかった
 彼女と………最後に話したのは俺だった………それなのに……何も気づけなかった」