私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「……………宮本………………お前、宮本か…?」

俺の後ろを見てそう言った

俺も振り返ってみると…………ちょこんと顔だけ出した香音がいた


宮本……?

香音は宮本じゃないけど………

「………高梨先生…?
 人違いじゃないですか…?
 香音は宮本じゃないですよ」

「……………………そうですよね………宮本なわけ…………ないですよね………すみません
 忘れてください」

「…………………はい」

そして沈黙が訪れた



しかしその沈黙を破ったのは香音だった

「……………宮本華乃……」

「…………っ!」

香音がそう呟いた後、高梨先生は目を見開いた


「……………………どうして……その名前……
 ……………君は……親戚…?」

「……………………」

香音は再び黙ってしまった

この二人………初対面だよな…?

いったい………何があったんだよ………

「高梨先生、上がっていきませんか?
 立ち話もあれですし……」

「でも……それは………」

「香音、いいよな?
 何か知ってるんだろ?」

「………………うん」

「ありがとう
 ってことで上がってください
 散らかってますけど」