「……………宮本………………お前、宮本か…?」
俺の後ろを見てそう言った
俺も振り返ってみると…………ちょこんと顔だけ出した香音がいた
宮本……?
香音は宮本じゃないけど………
「………高梨先生…?
人違いじゃないですか…?
香音は宮本じゃないですよ」
「……………………そうですよね………宮本なわけ…………ないですよね………すみません
忘れてください」
「…………………はい」
そして沈黙が訪れた
しかしその沈黙を破ったのは香音だった
「……………宮本華乃……」
「…………っ!」
香音がそう呟いた後、高梨先生は目を見開いた
「……………………どうして……その名前……
……………君は……親戚…?」
「……………………」
香音は再び黙ってしまった
この二人………初対面だよな…?
いったい………何があったんだよ………
「高梨先生、上がっていきませんか?
立ち話もあれですし……」
「でも……それは………」
「香音、いいよな?
何か知ってるんだろ?」
「………………うん」
「ありがとう
ってことで上がってください
散らかってますけど」


