「何から逃げたい?」
「全部……」
「…………例えば?」
「…………………………」
「言えなさそう…?」
「……全部は全部なの………」
「………そっか
逃げることは悪くない
岩本にとってそれほど辛いことなんだから………いつも頑張ってるからさ、たまには逃げることも大切だよ
いつも真正面から向き合ってたら疲れちゃうよ」
「……別に辛くなんか……」
「岩本は充分頑張った
だから後は逃げろ
俺はずっとお前の側にいるから」
「先生………」
「ただ俺からは逃げるなよ
俺から逃げるなんて許さないからな」
「…………先生……抱きしめてほしい…………」
「おう」
そして俺は抱きしめた
そっと背中を撫でながら


