「さっきイルカさん抱きしめてただろ?
俺がおいでって言ったのに…………寂しかった」
「ごめん…………」
「………俺じゃダメか?
ぬいぐるみに喧嘩売るのもどうかと思うけど…………俺が側にいてやりたい」
「………雄斗がいいよ
ぬいぐるみよりも…………雄斗の方が落ち着く」
「まぁ俺があげたぬいぐるみだからさ………嬉しいけど、俺がいる時は俺だからな
絶対香音を一人にしないから」
「うん………ありがと」
「…………トラウマはさ、無理して乗り越えようとしなくていいから
無理なものは俺がどうにかする
あんなの受け入れろとも忘れろとも言わない
だから………俺を頼ってほしい
俺がいることを忘れないで」
「…………忘れたことなんてないよ
どんな時も……1番に思い浮かぶのは雄斗の顔だよ
でも………体が勝手に動いちゃうの
側にいてほしいって思ってても………逃げちゃう………ごめんね」
「謝らなくていいよ
それなら俺が意地でも香音の側にいるから
香音がいくら嫌って言っても抱きしめ続ける」
「雄斗………」


