私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「雄斗…………」

「…………触れてもいいか…?」

「……そんなの………聞かなくていいよ………」

「いや………さっき怖がらせちゃったから………嫌なこと思い出しちゃった直後なのに………勝手に触っちゃったからさ………」

「ごめん………雄斗に触られたくなかった訳じゃないの…………本当に…………
 あの時にも………抱きしめてほしかった………」

「ごめんな………側にいてやれなくて…………電話も出れなくてごめん
 せっかく助けを求めてくれてたのにな………」

「ううん………雄斗の声聞けて安心できた
 でも………起きてまたあの時のこと思い出しちゃって…………雄斗の手を…………」

「もういい!
 もう分かったから…………ごめん……ごめんな…………全部一人で頑張らせたな………」

そして力強く抱きしめてくれた

「…………怖かった…………全部……………雄斗…………側にいて…………」

「あぁ…………ずっと側にいるよ
 どんな時も…………香音を一人にしない
 だから…………イルカさんのポジション、俺に戻してくんない?」

「…………ポジション…?」