「なら良かった
でも………まだ違うんだよな?」
「ううん………もう充分だよ………
懐かしい味…………ありがとね………」
「……………香音が付き合ってくれるなら俺はまだ頑張りたい
少しでも近づけるように…………香音がまたお母さんの味を食べれるように」
「もういいよ………そんなことしなくていい………無理なお願いして………ここまでしてくれたんだもん…………
もう大丈夫だよ………」
「香音のためだけじゃない…………倖輝や俺のためでもある」
「………お兄ちゃんは分かるけど……雄斗も……?」
「あぁ
俺だって知りたい
香音が育ってきた味を
だから…………やらせてくれないか?
香音の協力がないと出来ないんだ」
「……………本当にいいの?
大変だよ……?」
「いいの!
俺がやりたいからやるの!
だから香音は何も心配するな」
「………雄斗、ありがとう
お願い………してもいい?
やっぱり…………あの味を忘れられないんだ………こんなことになるなら…………もっとたくさん食べれば良かった………………」
「もちろん!
香音がまた食べれるように頑張る
きっとそれは倖輝も同じだから」


