私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「自分で歩け……」

「ダーメ!
 ほら、行くよ
 目瞑っててねー!」

そして私の体は宙に浮いた







でもすぐに柔らかいベットの上に下ろされた


「香音もういいよ」

「……ん」

目を開けるとそこには優しく微笑んでいる雄斗の姿

「………雄斗」

「ん、どうした?」

「ごめん………手……はらっちゃって………それと…………嫌な態度も取って………」

「香音は悪くない
 俺が勝手に触れたのが悪いんだから
 急に触って驚かせちゃったよな」

「そんなこと…!」

「ごめん
 寝てる香音に最低なことをした」

「………嬉しかったよ
 本当に………嫌な訳ない」

「………」

「オムライス………美味しかった
 …………どうやって作ったの…?」

「倖輝から知ってる限りの材料を聞いて、後は試行錯誤
 試作は全部奏斗に食べさせた」

「ごめん…………大変だったよね…………」

「そんなことないよ
 ある意味楽しかった
 奏斗もお腹いっぱい食べれて満足してたし
 ………………味……どうだった?」

「…………お母さんのと結構似てる
 懐かしい味だった…………」