「だって珍しく夕日見ながら黄昏てるんだもん
 いつも友達とうるさくしてるやつがだよ?
 さすがに声かけるわ」

「そっか」

「兄からしたらたまたま声かけてきたやつが俺だっただけかもしれないが
 香音を見て兄の言葉も思い出した
 あいつが言ってたのはこういうことだったんだって
 俺に出来るかは分からないけど……………変えてやりたいって思ったんだ」

「………めっちゃ大切にしてるんだな」

「当たり前だろ?
 好きな子は大切にするもん」

「そっか……………てか、腹減った」

「あー…もうそんな時間か
 香音に何食べたいか聞いて来る!」


そして再び香音のもとへ向かった





コンコン

「香音ー!」

「…………………」

部屋に入ると香音は布団に頭まで埋めていた

「香音、起きてるんだろー?
 顔見せてー?」

「………………………」

「………ご飯何食べたい?
 何でも作るよ」

「…………………………」

「香音さーん、聞いてますかー?」

「………………お母さんの作ったオムライス」

「…………っ」

「…………………ごめん
 忘れて」

「…………お母さんのは無理だけど………俺がオムライス作るよ」

「………………いい
 雄斗のじゃ意味ない……………お母さんのが食べたい…………」