パシン


肩に何かが触れたので目が覚めた


そしてそれを勢いよく振り払った


「あっ……………ごめん………」

「いや………俺の方こそ悪かった」

私の肩に触れたのは雄斗だった

「………ごめ……んなさい…………」

「香音は悪くない
 俺が急に触ったから…………驚かせてごめんな」

「うぅ……ごめ……んな……さい…………」

「ちょっ、香音!?
 どうした?
 泣くなよー、俺は怒ってないぞー?」

「ヒック……ヒック…………」

「ほら、イルカさんも香音ちゃん泣かないでーって言ってるぞ?」

「ヒック…………」

雄斗からイルカのぬいぐるみを受け取ってギュッと抱きしめた

「ちょっとー
 抱きしめるのイルカさんじゃなくて俺にしてよー
 ほら、おいで」

そう手を広げてくれたけど……………




ベッドの隅に逃げた


「香音ー、逃げないでよー
 俺のこと嫌かー?」

「ヒック……ヒック………ぃやぁ……ヒック………」

「もー………しょうがないなー……
 イルカさんと仲良くしててね?
 また来るから
 何かあったらいつでも呼んでな?」

そう言って雄斗は出ていった