「……ぃや…………嫌…!」


向かいの机に座っていた文香が調理室から飛び出した



「文香さん!?」

文香を呼び止める先生の声も



文香…………やっぱり怖いんだ…………



分かるよ……………




私も嫌だよ……………









気づけば先生は内線で連絡をし、みんな作業を再開していた


「香音、切らないの?」

隣で作業していた愛桜に声をかけられた


「あっ………うん………ゃる………」

「あっ、見てみて!
 綺麗に切れた!!」


そして刃先が私に向いた


反射して刃先が白く光る





あの時と…………同じだ……………



ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ…………



くる……しい……………


「香音?
 大丈夫?」

「ハァハァハァ……ごめ………ハァハァハァハァハァハァハァ………」


そして私も調理室を飛び出した