私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「えぇ!?
 やだ、取らないでよ!
 私の文香なのにー!!」

「お前には雄斗がいるだろ」

「雄斗と文香は違うもん!!
 文香を返して!」

「嫌だね
 てか、雄斗そろそろキレるぞ?」

「えっ?
 あっ…………雄斗やだ!!
 機嫌直してください…!」

「へー、香音は彼氏よりも文香ちゃんを取るんだー?
 いやぁ、負けちゃったなー
 悔しいなー?」

「違う!
 あれ……違くない………?
 ……違う!!
 雄斗違うから!」

「何が違うのかなー?
 文香ちゃん返してほしいんだろー?」

「……雄斗のばか!!」

「へー、誰がばかだって?」

「ばか!」


そんな言い合いを横目に奏斗先生に問いかけた

「あの………いつになったら離して……くれるの…?」

「んー、俺の気が済むまで」

「………いつですか…?」

「………2時間後?」

「えっ!?」

「嘘、冗談だよ」

そして離してくれた

「………俺、嫉妬深いから
 香音と抱き合ってるだけでも嫉妬するから」

「………抱き合っちゃダメなの…?」

「………俺のいないところでしろ
 目の前でやられても引き剥がすから」