私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「へー、そんなに雄斗がいいのか?」

「………あの事故があって………誰も信じられなかった…………信じたくなかった
 でも…………雄斗だけは信じたいって思えた
 家族よりも…………雄斗と一緒にいたいって思えた
 それにお父さんあまり家にいないし」

「………そうだったんだな
 まぁいいんだけどさ
 香音が幸せなら……………ご馳走様!
 帰るな」

「もう帰るんですか?」

「あぁ、お前らの邪魔したくねぇし
 それに仕事やんなきゃなの」

「あっ、頑張ってください!」

「おう
 てことで、雄斗!
 しばらくご飯来るから
 よろしく!!」

「ん、気をつけてな」

そして奏斗先生は帰って行った



































あれから少しして雄斗は食器を洗い始めた

今なら………包丁もないよね…………

そして雄斗に後ろから抱きついた

「……ん、どうした?」

「ダメ!
 このまま………」

振り返ろうとしてきたのを慌てて止めた

「…………どうした…?」

「………私のこと嫌い…?」

「そんな訳ないだろ
 大好きだよ」

「…………死んで欲しい…?」

ガシャン

そう聞いた瞬間、雄斗の手から食器がシンクに滑り落ちた