私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「アハハ………」

「でもさ、香音が戻ってきて明るくなったよ
 文香の笑顔……久しぶりに見れた
 ありがとな」

「いえ……私何もしてませんから」

「……………俺の代わりに吐き出せてあげて
 本当は………文香も辛いはずなんだ」

「………奏斗先生は……文香に何もしないんですか?」

「…………俺が側にいてあげたいよ
 でもさ………そんな資格俺にはない
 文香の側にいる資格………ないんだよ
 ただ………もう一度だけでいいからあいつと話したい
 ごめんってちゃんと謝りたい」

「………何かしたんですか?」

「……………あの事件の時……………文香を置いて香音のところに行ったんだ
 掴んでくれた手を離して
 ……………最低だよな」

「…………奏斗先生…………ごめん………ごめんなさい…………私のせいで…………」

「香音のせいじゃねぇよ
 決めたのは俺だし
 その選択に後悔はしてない」

奏斗先生…………

そこまでして……………



思わず奏斗先生に抱きついた