私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「そうだったんだ………早く言ってくださいよ!」

「まぁ冬の間だけだからな?
 夏はやめろよ
 暑いから」

「分かってますよー
 あー……でも嬉しいな
 雄斗の着ていける…!」

「………雄斗に許可とれよ」

「あっ……………
 奏斗先生、助けてください!!」

「いやー
 別にお前が頼めば雄斗は断らないだろ」

「………そうかな………」

「そうだよ
 香音が可愛く頼めば雄斗なんてイチコロ」

「可愛く……………は無理だけど頼んでみる!
 これがあれば…………少しは怖くなくなる……と思える
 守ってくれる気がする」

「…………それならなおさらな
 香音に学校を怖い場所にしてほしくない
 まぁ俺が言っても説得力ないよな」

「全然!
 奏斗先生に話して良かった………
 気持ち分かってもらえるのって嬉しいね」

「そうだな
 あいつも………吐き出せてるといいんだけど」

「あいつって………文香…?」

「あぁ……
 文香さ、香音が戻ってくる前は全然話さなかったんだ
 俺以外とも
 必要最低限って感じだった
 まぁ俺は完全無視されたけど」