「…………怖かった
もちろん楽しかったけど…………辛いし寂しかった
雄斗に…………すぐ側にいて欲しかった……」
「……そっか」
「あの駐車場は………近づけない
包丁も………見れない
だから今もこうして逃げてるの………多分雄斗も気づいてる」
「だよな………分かるよ、その気持ち」
「…………逃げたいのにね………雄斗とは離れたくないの………雄斗はご飯作らなきゃなのに………雄斗がお腹空くまで抱きついて離せなかった…………こんなのダメだよね…………」
「ダメじゃないぞ
香音は凄く頑張ってる
離れないといけないの分かってるから………勉強してたんだろ?」
「うん…………」
「寂しいから雄斗の服着てるんだろ?
匂い……安心するんだろ?」
「そうなの………雄斗が側にいてくれてるみたいで………落ち着くの………」
「だったら学校にも着て来い
香音が嫌じゃなければ」
「……いいの…?」
「あぁ
制服の上からなら問題ない
校則も着ていいことにはなってるけど誰も着てないだけ」


