私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「んー…………ここかな………
 雄斗といると素でいれる
 もちろん学校も楽しかったし、全部が全部嘘とは言えないですけど」

「………そうだったのか
 まぁ雄斗には素でいられるなら良かったけど
 それでも…………辛いだろ?
 学校………」

「…………別に」

「俺は辛いよ
 学校行くの
 あの駐車場わ通る度に………しんどくなる」

「奏斗…先生が……?」

「情けないよな
 包丁も怖くて今でもまだ触れない
 だから今日も雄斗のご飯食べにきた」

「……そうだったんですね
 全然そんな風には…………」

「見えなくて当たり前だ
 それを感じさせたら終わりだよ
 生徒には………これからの生活がある
 あの事件に縛り付けられることはさせられない」

「そう……ですよね」

「………………俺も言ったんだ
 香音も言えよ」

「えー……勝手に話したんじゃないですか」

「いいだろ
 俺だって誰にも話せないでいたんだ
 香音だから………同じ気持ちを持っていそうだから話したんだ
 まぁ違うなら無視していいけど」