私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


〜香音目線〜


カキカキカキカキ………


「これはこっちの公式な」

「うわっ!
 びっくりした…………」

急に背後から手が伸びてきてびっくりした

「お前集中しすぎ
 いつもこうなの?」

「奏斗先生……急に話しかけないでくださいよ」

「部屋入っても気づいてくれないんだもん」

「それは…………すみません」

「まぁいいけどさ
 勉強してんの?」

「そうですけど…………これってこっちの公式なんですか?」

「まぁ香音のやり方でも出来なくはない
 こっちの方が楽だけど」

「なるほど…………………これであってますか?」

「そう、正解
 やっぱり飲み込み早いなー」

「全然そんなことないですよ……………」

「………………お前さ、しんどいなら無理する必要ないと思うぞ
 留年したって………………香音の心の方が大切だろ」

「………………雄斗から何か聞いたんですか?」

「あんまり聞いてない
 雄斗から勝手に聞くのは違うと思ったから
 雄斗も心配してたぞ」

「……………そっか」

「…………どっちが今のお前なの?
 学校とここ…………全然雰囲気が違う」