「まぁ、そんなこと言うなって!
 俺が送る理由作れないだろ」

「だから一人で帰ります!」

「それは無理!
 これでもお前のこと心配してる」

「…………………」

「だから勉強しろ
 今がチャンスなんだ」

「……チャンス?」

「そうだ
 今、教員の中で香音は凄く注目されてる」

「どうして?」

「お前、テストの点数忘れたのか?」

「…………あっ、あれか」

「あれかって………良く忘れられるな
 あんな高得点取っておいて」

「中学校より簡単でしたよ?
 特に数学」

「………仕方ねぇだろ
 香音のレベルだけに合わせることは出来ない
 他の先生方も驚いてる
 お前は俺達の想像を超した」

「……………期待してたんですよ……数学は
 もっと難しいの解けると思ってた」

「…………許せ
 そこはみんなと同じでないと
 だからと言ってはなんだが………プリント作ってきた
 香音のレベルに合わせたやつ」

「本当ですか!?」

「だから残れ
 今日は俺が勉強を見る
 明日からは他の先生にもお願いしてみろ」

「………誰に…?」