「………………夢が出来た」
「夢?」
「うん…………なりたいものが出来た
だから………頑張るって決めた」
「………何になりたいの?」
「………………」
「俺には言えない?」
「………恥ずかしい……」
「えー、教えてよー」
「………誰にも言わない…?」
「言わないよ」
「………先生
雄斗みたいな………先生になりたい」
「俺?
奏斗とかじゃなくて?」
「うん……雄斗みたいになりたい
悩んでる子とか苦しんでる子を………助けてあげたい」
「そっか
俺とは違うと思うけど………香音ならなれるよ
絶対に」
「雄斗だよ
私を助けてくれた………誰も助けてくれない中で……雄斗だけが助けてくれたんだよ」
「…………じゃあ社会の先生?」
「あっ、それは違うかな
出来れば理数系がいいなー」
「ちぇっ、社会楽しいのに」
「はいはい
適当に知識だけはいれるから」
「んな!?
適当にだと!?
ちゃんと入れろ
あっ、何だったら語るぞ!」
「遠慮しときます!」
「えー、何でー?
何時間でも語れるよ?」
「…………語るなら奏斗先生も道連れに」
「アハハ!
奏斗もか」


