私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「…………もう一個下だよ」

「あっ………そうなんだ………」

「…………体育館の隣」

「体育館…………どこだっけ?」

「……………一緒に行こうか?」

「えっ………でも………」

「いいよ
 分からないんでしょ?」

「ごめん………頼むわ」

「うん」



そして自販機に向かった




その間、お互い無言だった





「………着いたよ」

「あぁ………ありがとう」


ガタン



「これ、やるよ」

そう言って今買ったばかりのペットボトルを差し出した

「えっ……いいよ
 佐藤君が買ったんだし………」

「いや、ここまで案内してもらったし………」

「そんな……悪いよ
 案内しただけで何もしてないし………」

「でもさ、もう買っちゃったし
 これ好きじゃなかったっけ?」

「そうだけどさ…………」

「だから貰って?
 俺、2つもいらないからさ」

「………………ありがとう」

そこまで言われたら断れない…………

そしてありがたく貰った

「あのさ…………少しでいいから話せないかな?」