体育館の入り口には奏斗先生がいた
「上岡先生、すみませんでした」
「いえ、じゃあ私は先に戻ってますねー」
「えっ、上岡先生!?」
私は上岡先生に着いていこうとしたけど…………
「お前にはまだ話がある」
そう言われて腕を掴まれた
私は無言で睨んだ
「香音、あの時はごめん
俺が悪かった」
「………………………」
「もうあんなこと言わない
だからさ…………いい加減に話してくんね?
お前と話せなくて寂しいんだけど」
「…………………………」
「それにどうした?
最近変だぞ?
顔色ずっと悪いし……………給食食べないし…………休み時間トイレにこもってるし」
「………………」
「雄斗はどうした
また放ったらかしてるのか?」
「……………して」
「ん?」
「返して…………雄斗を返してよ!」
「………何だよそれ
俺は雄斗を取ってないぞ?
第一、雄斗はお前しか好きじゃないから」
「………………いいから返して!
それまで話さない!」
「あっ、ちょっおい!」
体育館に戻ろうとしたらまた腕を掴まれた
「あの子………グループ離してもらったから
話せそうだったら話してあげて
話したいことあるって」
そして腕を離してくれた


