「全然!
 てか、寝るつもりなかったし………」

「香音…………寝れるなら寝ておいで
 昨日……あまり寝てないだろ…?」

「………っ!
 寝たよ!?
 ちゃんと寝た!」

「嘘ついても分かるよ…………頼むから………嘘はつかないで…?
 疲れてるなら疲れてるって言って…………俺……分からないからさ………」

そう言って抱きしめてくれた

この温もり……久しぶりだな………

「雄斗…?
 どうしたの?」

「………嫌か?
 抱きしめられるの」

「………嫌じゃないけど…………雄斗……何か変だよ?」

「……………香音……ごめんな………何にも気づいてあげられなくて………」

「……………何が?」

「………俺……香音の見え方……全然知らなかった
 香音の大変さ………知らなかった」

「…………別に私は大丈夫だよ?」

「奏斗がさ…………香音が見ている世界を見せてくれた
 それで………やっと気づいた
 香音は……凄く頑張っていたんだなって」

「………別に……頑張ってなんか………
 他の人だって……頑張ってる」